ただいま冷徹上司を調・教・中!
「根本的に、凱莉さんが思っているようなことを望んでいる女性は少ないというのが現状です。誰だって自由にゆっくりと安眠したいものなんですから」

確かにベタベタいちゃいちゃしたいんだけど。

それでも眠るときは自由でいたい。

これが人間の心理というものではないだろうか。

「……そういうものなのか。なんだか俺はいろいろなものに縛られ過ぎているのかもしれないな」

ようやくリアルな女心が理解できたのか、凱莉さんは小さく溜め息を漏らした。

「マンガにリアルな女心とか描いちゃったら、少女たちは夢も希望も持てなくなっちゃいますよ。キレイにロマンティックであることに意味のあるものなんですから」

少女たちは少女漫画を通して恋愛に憧れ、経験することでいろんなことを学んでいくものなのだ。

少女漫画はキラキラきゅんきゅんでいい。

「俺達は俺達でやっていけばいいってことだな」

「そうです。安心できました?」

疑問やすれ違いは、ちゃんと話し合って進んでいけばいいんだから。

もう大丈夫だ。

そう思ったのに。

「……根本的な問題解決はどうしたらいいんだ?」

凱莉さんの顰めた顔に、私は思わず苦笑してしまった。

「一人じゃないと眠れないってことですよね?それなら考えがあります」

私はそそくさとテーブルの上を片付け、寝る準備をして凱莉さんの手を引いた。

「来てください」

「いや……だから……」

「いいからっ。大丈夫ですって」

有無を言わせず、私は凱莉さんを引っ張ると、リビングの電気を消して強引に寝室へと引きずって行った。
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