ただいま冷徹上司を調・教・中!
駅まで向かう道のり、瑠衣ちゃんは気難しそうに眉を寄せていた。

「瑠衣ちゃん、さっきは本当にありがとう」

何も言えなかった私に変わって、梨央にハッキリと言ってくれた瑠衣ちゃんには感謝している。

「千尋さん」

「なに?」

「どうにかならないんですか?」

瑠衣ちゃんの言いたいことがよくわからなくて、私は小首を傾げた。

「平嶋課長と千尋さんの距離、以前と比べると縮まってるのは見ててもわかります。でもそれじゃ、まだまだ足りないんです」

もどかしいとでも言うように瑠衣ちゃんは言葉を紡ぐけれど、そう言われたところでどうにもならないのが私達の関係性なのだ。

簡単にどうにかなるような問題ではない。

「なにかきっかけがあれば、ぐんと近付きようなんですけどね」

「スキのない平嶋課長がきっかけなんて」

あの一件以来、やはり平嶋課長はプライベートを垣間見せることもなく完璧に振舞っている。

どこにも付け入る隙がないのが現状だ。

「きっかけがあったら、絶対に見逃しちゃダメですからね」

「うん、わかった!」

少しでもお近づきになれるチャンスがほしい私は、神にも祈る気持ちだった。

そして迎えた週末、私は神様の存在を感じることとなった……。
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