ただいま冷徹上司を調・教・中!
突然の私の爆弾発言に、平島課長はなにを思っているのか。

私を見つめたまま瞬き一つせずに固まっている。

目……乾かないのかな。

あまりの緊張に、どうでもいいことを考えてしまう。

「確認事項があるんだが……」

私から視線をそらさず、平嶋課長はようやくポツリと呟いた。

「お前は俺が好きで、俺もお前を好きにならなければならない……という意味か?」

「え……」

なんて真面目なイケメンなのだろう。

こんなに顔がいいのだから、もっと適当でも文句は言われないんじゃないだろうか。

「平嶋課長は適当な付き合いができないということはわかります。けれどこの提案はもっと打算的に考えてください」

同じ恋愛下手でも、擦れていない平嶋課長と、擦れまくりの私。

『打算』という言葉を使うのが恥ずかしいくらいだ。

「私は、私を裏切った元親友と元カレを見返してやりたい。そのためにはハイスペックな彼が欲しいんです。平嶋課長は自分の問に答えてくれない教科書よりも、リアルな女心が伝授できるAIが必要じゃないですか?」

「それは……」

「私が女心の裏表を全て教えます。だから私を平嶋課長の仮カノにしてくださいっ」

めちゃくちゃなことを言っているのは十分理解している。

それでもこれは互いにとって一番有益な提案ではないだろうか。

平嶋課長が納得し頷いてさえくれれば、私の悩みはオールクリアできるのだ。

さあ。

貴方はこの提案をどう分析する?

平嶋課長が腕を組み眉間に皺を寄せながら考え込んでいる姿を、私は固唾を飲んで見守った。
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