戦国恋武
「………殿?」
これが1番聞きたいこと。
ここの人達は、私のことを殿と言う。
私はただの一般人であり、殿と言われる身分でもなければ、今まで生きてきて殿と呼ばれている人を見たこともない。
それにここは何処だろう。一面畳で、純和風の豪華そうなお部屋。掛け軸も壺も価値などわからないが、埃一つなく、ピカピカに磨き上げられているのを見ると、高い品なのだろうと伺える。
「そうじゃな…。ここは那古野城だと言えば、おおよそ察しがつくであろう?」
?
頭にはてなマークを浮かべポカンとする。
え?名古屋城?どうして私は名古屋にいるんだろう?
「その顔は、わかっておらぬな?」
コクコクと頷く。よくわからない。
「ここは、尾張国、那古野城は織田信長の城じゃ。お主は、尾張の山の中で倒れておったのだから、旅人か何かであろう?自分が今いる国くらいわかっておれ。」
呆れた表情で濃姫さんが言うが、何が何だか…
織田信長?って日本史に出てくる織田信長?鳴かぬなら殺してしまえの織田信長!?尾張国、那古野城…わからない。日本史もっと勉強しておけば良かった。
ちょっと待って。織田信長って何百年も昔の人じゃない?その子孫か何かと勘違いされてたりするの?私はそんな家柄じゃない。子孫はフィギュ○ス○ートの織田信○さんでしょ。しかもあの人が城に住んでるとか聞いたことないし。