浅葱色が愛した嘘




『一昨日の事は違うんだ。』


何を言い出すかと思えば、
あの夜の島原の出来事_____。



一番触れてほしくない所を原因である沖田に言われるのが一番辛かった。




『一体なにが、どう違うと言うんだ?』




桔梗はこの目でハッキリと見た。

噂でもなく、風の伝いでもなく、
自分自身の群青色の瞳でハッキリと___。





『沖田さん。

その自身の身勝手な欲のために、私に接吻をしたんでしょう?

これからは島原に出向いて空女とかいう遊女に相手してもらえばいい。

それとも、金を払うのが惜しくて、私にあんな事を?』




桔梗は想いを言葉にすればするほど、感情的になっていく。




桔梗は思わず逃げ出した。




『澄朔_____!』





後ろから沖田が桔梗の名を呼んでた。


しかし、桔梗が立ち止まる事はない。

何も聞こえない。
何も聞きたくない。


どうしてこんな心が焼ける臭いがするのか分からなかった。



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