浅葱色が愛した嘘




『ところで土方さん、僕の部屋にまで訪ねてきて一体、何の用ですか?』





沖田は目線を土方に向ける事なく、問いかけた。





『澄朔の事だ。

お前、あいつに惚れてんだろ?』




桔梗の名前を口にした瞬間、沖田は刀を手入れしていたその手を止めた。



二人の間を流れる空気はピリピリとしていてあまりいいものではない。




沖田はため息をついた後、低い声で言った。



『土方さん、それを言うならアンタもだろう?


僕に言える玉ですか?』





沖田は知っていた。

土方でさえも、桔梗に想いを寄せている事を。


沖田は気づいていた。


土方が桔梗に向ける視線は優しくて温かい事を。




『だったら僕にそんな事言わないで下さい。

澄朔の事は____

土方に任せます。』






沖田はハッキリと言った。



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