浅葱色が愛した嘘
『所でよぉ、山崎。』
『はい?』
『澄朔の左胸に紋章みたいなのがあったんだが、
何か知らねぇか?』
それは土方が桔梗の着物を脱がした時に見えた薔薇の刻印。
妖であり、人間ではない証だ。
『分からんなぁ。
ほな一回調べてみるわ。』
山崎はニカッと人懐こい笑顔を浮かべ、一瞬にして姿を消した。
残された土方は
一人桔梗を想い、その感情に蓋をした。
もう二度と、桔梗を愛さない。
そんな意味をこめて_______。