浅葱色が愛した嘘



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『沖田さん!いい加減降ろせ!』




『無理。降ろさない。』




沖田は桔梗を担いだまま
スタスタと廊下を歩く。


桔梗は次第に抵抗するのをやめた。




スパーンッ



勢いよく自室の襖を開け、敷かれたままの布団の上に桔梗の体を放り投げた。




『いたっ




もっと優しくできないの……か……




沖田さん?』



気づけば桔梗の体は沖田の中にすっぽりと収まっていた。




ドクンッ___ドクンッ____。



静かな空間に、二人の鼓動だけが一定のリズムで刻まれる。





好きな人の腕の中___。


こんなにも温かく、心地のよいもの。




桔梗はゆっくりと目を閉じ、
沖田に身をゆだねた。





『どこを触られたの?』





『え?』





『…………土方さんにどこ触られた?』





沖田の声はなぜか怒っていて、その表情は悲しげだった。






『わかんないけど、全部。』




唇、髪、首筋、胸、



土方は桔梗の体中を愛撫し、舐めた。


その生暖かい感覚が今も桔梗には残っている。



桔梗の言葉に沖田は目を伏せた。




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