浅葱色が愛した嘘



九本の尾を持ち、化け狐として古より恐れられてきた((妖狐))



群青色の淡い瞳が特徴であり


獲物を狩るその時だけは紅色に染まると言われている。



しかしそれは数百年も昔の話。

今ではその存在でさえ、消えてなくなっていた。


だが桔梗は唯一その血を受け継いだ禁忌の花。

彼女が探していた刀は
一族から代々伝わる刀だった。




「ほらよ、これがその刀だ。」


土方は先ほど山崎が持ってきた刀を桔梗の前に放り投げた。


錆びきった刀からは長年の歴史が感じられる。


これが…あの人が見つけ出せと言っていた刀か。
見事な妖気だ____

血を欲するおぞましい刀。


今やっと手にする時がきた。



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