浅葱色が愛した嘘
桔梗はそっと刀を手に取り鞘から抜いた。
「「「!?!?!?」」」
土方をはじめ斎藤、山崎も唖然としていた。
自分たちがどんなに頑張っても抜ける事のなかったその刀は今、一人の少女によっていとも簡単に抜かれたのである。
「確かに受け取ったぞ。
約束通り私は新撰組に隊士になろう。
私の目的は長州藩、桂小五郎の首のみだ。」
桔梗の瞳はギラギラと光り、そこには殺気と脅威が感じられた。
「これで契約成立か。
とりあえず他の幹部にはお前が女だと言う事は内密にしておけ。
近藤さんには俺から説明しておく。」
近藤という名の男は新撰組の局長。
もっともこの組織の中で地位が高い人だ。