浅葱色が愛した嘘
カンッ___ガッ__カキンッ
二人の刃先が交わる音が響き渡る。
愛する者同士が殺し合う以上に残酷なものなどあるのだろうか。
しかし沖田にはまだ迷いがあった。
桔梗から振り下ろされる刀を受けるだけ___。
跳ね返すが、それ以上の攻撃をする事はない。
桔梗は食らいつくように何度も勢いよく刀を振りかざす。
あまりの力強さに沖田の顔は歪んだ。
『はぁ、はぁ、はぁ……
ちっ、どうすればいいんだよ…』
ここまで辿り着くまでにも沖田は大勢の敵を相手にしてきた。
無論、無傷ではないため体が思うように動かない。
受太刀をしただけでも、斬られた傷口が痛み、その度に体が悲鳴をあげる。
桔梗から生える尾は、七本……
これ以上、桔梗の力が増せば
沖田は確実に殺される。
それは、沖田自身が一番よく分かっていた。