浅葱色が愛した嘘
『……母上…?』
ふと目の前には生桜の姿があった。
あまりの疲労に沖田は生桜の気配さえも感じとれない。
『母上…寝てるの?』
桔梗から受け継いだ群青色の瞳…
本当に桔梗にそっくりだった。
愛おしい、我が子___
『あぁ。桔梗は少し疲れたみたいだからね。』
沖田は力無い微笑みを生桜に向ける。
生桜は少し安心したように笑うと、
沖田の腕の中で抱かれている桔梗に寄り添った。
『母上……生桜も疲れたから一緒に眠ってもいいかな。』
そういうと生桜はそっと目を閉じる。
幼い少女でさえも
全身、血で覆われていた。
この子もまた命の限界が来たのだと沖田は悟った。
最愛の女と我が子を両手に抱きしめ、沖田は涙を流し続ける。