浅葱色が愛した嘘






ザザザ……_______






風が激しく吹き荒れる。


千年桜の花びらが少しずつ枯れていた。



まるで桔梗の命が終わるのを待っていたかのように。




『………土方さん…』




花吹雪の中、ぼやける視界の中で沖田は土方の姿を見つけた。



『ご苦労だったな、総司。


よくやった。』




土方は全てを悟った。



沖田の腕の中で死んでいった桔梗と…生桜…。



しかし、その二人の顔は微笑んでいる。



桔梗にとって望んだ最期を迎えられたのだろうと……









『僕は何も救えませでした。




でも……桔梗に出会った事を今も後悔していません。』






沖田はギュッと二人を抱きしめた。




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