浅葱色が愛した嘘
『遅かったね。
土方さんに何か変なこと言われた?』
部屋では沖田が団子を食べ外を眺めて座っていた。
『いや、対した事じゃない。
所で沖田さん
今一番隊は稽古をしているんじゃないのか?』
今日は非番ではないはずだ。
先ほど稽古場では一番隊の姿が見えた。
隊長である沖田の姿が見えないと思ったら、こんな所で呑気に団子を食べている。
刀の実力は確かだが、
日頃の行いは隊長とはかけ離れたものだと桔梗は思った。
『だって隊士の一人である澄朔が鬼の部屋から戻って来ないんだもん。
心配で他の奴の相手なんか出来やしないよ。』
そうか……
桔梗はそう呟くと沖田の隣に腰を下ろした。