浅葱色が愛した嘘

気づかされた思い






島原の朝は基本いつも早い。


しかし、仕事がない桔梗は一人部屋で窓から顔を覗かせていた。



高杉からもらった煙管。

復讐するべく相手の煙管を使うなど、私はどうかしているか_____。




不意に自分自身に嫌気が差した。




バンッ!!!



煙管を部屋の壁へと投げつける。




『情けない_____。』




桂小五郎。



桔梗の唯一の居場所を奪った男。

妖と知っていながら、
化け物としっていながら、

軽蔑することなく、温かく迎え入れて
ずっと育ててくれたあの人たちを


皆殺しにしたあいつだけは許してはいけない。



『神に誓うな____

己に誓え____か。』


桔梗が見上げた空は

眩しく、蒼かった。




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