浅葱色が愛した嘘






その頃、新撰組では________。










『おい!総司!


昨日から元気ねぇじゃねーか!
どうした?澄朔がいないからか!?』





桔梗が隊務と言って、新撰組を出た日から沖田はあからさまに元気がなかった。



っと、言うよりもイラついていた。



一番隊の稽古はいつもより何倍を厳しく、隊士たちが次から次へとその厳しさに耐えきれず、倒れてしまう程。




土方もその様子を心配に思っていた。




それでも沖田の険悪な空気に誰も触れる事が出来なかったが


この日、もっとも空気の読めない男、原田左之助が沖田の肩を揺らしながら叫んでいた。





『お~い、大丈夫かー!?

お前、本当にどうしちまったんだよー!

そんなに澄朔がいない影響が大きいのか?

たった三日だぞ!?』



沖田は桔梗の名前を聞いた途端に原田の手を跳ね除けた。





『おい、原田やめとけよ。
今の総司は危険だぞ。』




『ぱっつぁんの言う通りだ。
今はそっとしとこうぜ?』



原田といつも一緒にいる藤堂と永倉も沖田の事を心配していだが、

こと状況で無駄な事を言えば


逆にこっちが殺られると、思っていた。




『でもよ~
こんな明らかに調子悪いです~って雰囲気出されへとこっちも調子狂うんだよ。




そうだ!!!総司!

こんな時は島原だ!!!』



原田はポンッと手を叩くと、



『俺、副長室に行って土方さんから外出許可もらってくる!!!』




そういって走っていってしまった。



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