今夜、お別れします。


2人で会っている時の桐谷はとても優しかった。


普段は自信家で、みんなを引っ張っていく頼もしい存在だけど、私といる時の彼は、意外に甘えただと思った。


私の膝を枕にして寝転ぶのが好きで、サラサラの黒髪を撫でると、その手を取って優しくキスをしてくれる。


手のひらに、手の甲に、そして腕を辿って首筋に、そして耳元で甘く囁く。


気付けばいつのまにか、彼と私の位置は反転して、私を見下ろす彼の目が、熱く滾っていくのに気づく。


彼の愛撫はとても丁寧で、優しくて、甘くて……こんな私を本当に愛してくれているのが伝わってきて幸せな気持ちに包まれる。


そんな風に過ごす彼との時間は、私にとってとても大切なものだった。


そして彼に愛されているという自信が、私の中に少しずつ変化を起こしていった。






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