今夜、お別れします。
「弱い自分と……お別れして、桐谷に好きって気持ちをずっと伝えていく。私は本気で桐谷に恋してるから。今も、これからもずっと……」
多分、初めてだ。
こんな風に自分の素直な気持ちを桐谷に伝えたのは。
そう考えれば、桐谷はそんな私をもずっと許して待ってくれていたのだ。
桐谷って本当にすごい。
「桐谷、好き。
大好き。
愛してる……」
タガが外れたみたいに迸る想いのままに桐谷への想いを伝えた。
桐谷、桐谷、
名前を呼び続けていた唇を不意に塞がれた。
「……萌奈。俺も、好きだよ。
だから、そろそろ下の名前で呼んでくれない?
苗字だと距離を感じるんだよな。
……だめ、かな?」
そういえば、と今になって気付いた。
付き合うようになってからも、ずっと桐谷って苗字呼びしてた。
「そう言われれば、どうして私桐谷のこと、ずっと桐谷って呼んでたんだろう」
「忘れてんのかよ、自分で言い出したくせに」
呆れたように桐谷が笑う。
「下の名前で呼びなれると、うっかり会社でもそう呼んじゃうから嫌だって、萌奈が断固拒否したんだろ。2人きりの時位ってベッドの中で何度頼んでも拒否られてさ……しばらく凹んでたの気付いてねーのかよ。ホント、信じられねーわ」
あ、そう言えば……そうでしたね。