シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
私と悠季くんの会話を悠斗が笑った。
「父さんって、俺と母さんに対して話し方が違うんだね」
「当たり前だろ。早百合さんは最愛の人なの。一番大切な存在なんだからよー」
「え、じゃあ息子の俺は?」
「悠斗は2番目。決まってんだろうが」
「えー、そこは息子が一番じゃないの? 妬けるんですけど」
「息子が父親に妬いてどーすんの。さて、本題に入るか」
悠季くんがスーツのポケットを漁るがはやいか、悠斗はすっと立ち上がった。
「あ、母さん父さん。俺、用事があるんだ。先に帰るね」
「おい、悠斗?」
「母さん、明日は自分で朝ごはん作って食べて学校に行くから、ゆっくりしてきて」
「えっ? どういう……悠斗?」
「そういうこと! じゃあ!」
にやにやと笑って悠斗はレストランを出て行く。
「もう……親をからかって」
「そういう年頃なんだよ」
*―*―*