シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
「あ、ちなみに悠斗には許諾済み。お前の母さんをお前から奪うよって。そしたらよろしくお願いしますって頭下げられちゃったし」
「なに……それ……」
「まあ、ちょっとした出来レース? だから早百合さんには断る理由がもうないからね」
「ゆ……悠季く……いいの? 本当に……わ……で」
「当たり前でしょ。じゃあ、いいね?」
私はゆっくりと頷いた。涙もポロポロこぼれて鼻も詰まって、もうしゃべる状態ではなかった。悠季くんは私の頬に口付け、流れる涙をそっとすくう。右に左に、そして時々、唇にもキスを落として。
しゃくりあげる私にキスができないと判断したのか、悠季くんの唇が私の唇を離れた。頬に額に鼻筋に顎にと向かい、耳へと進む。耳たぶを甘噛みした。その湿った音に首筋が粟立つ。首をすくめて、小さな抵抗をするけれど、悠季くんはお構いなしだ。
そこがウィークポイントだと見極めたのか、わざと煽るようにキスを続ける。首に感じる刺激が全身に広がって力が抜けていく。
立っていられない。両手を悠季くんの首に回した。しがみつく。
「やっと僕のものになるんだね、早百合さん。部屋取ってあるんだ。行こ?」
「で……も……」
「早百合さんがダメって言っても帰さないから」
*―*―*