バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
「えぇっ!?吸血鬼と人間の子供はできないっていってたじゃないですか!」
本来俺たちは遺伝子レベルで違う生き物だから子供が出来ることなんていくら姿や生殖方法が似ていても奇跡でも起きない限り子供は出来ない
「ヴァンパイアになればいい」
ヴァンパイアの生殖方法はもう一つある、正確にはそれは生殖と呼んでいいかは分からないが人間をヴァンパイアにすることができる
彼女をだき抱えたままその手の平にキスをして腰に回した手に力を入れて引き寄せる
「そうすればなんの問題もない、後は何時もみたいにすれば…」
彼女がぐいっと俺を押し退けて距離を取ろうとする
「いやいや、無理です、私が吸血鬼になっても誰も血とかくれないだろうし、すぐに飢え死にます」
顔を真っ赤にして少し混乱しているようだ
「貴方みたいに綺麗な人なら誰だって喜んで血をくれるかもしれませんが、私とか声をかけてもスルーされると思います」
彼女は鈍感なだけでなく自分のことを何にも分かってない
彼女が声をかけるまでなく少し微笑めばたちどころに相手の首を縦に振らせるだろう
彼女の後をつけていた男なんかは視線さえ交わしてないのにあの有り様だ
「そもそも人の血とか飲めませんし」
「じゃあ、俺の血を飲めばいい」
「吸血鬼って吸血鬼の血でもいいんですか?」
「本来は飲まないが、飲めないこともない」
俺達の血は人間の血に見た目はよく似ているが中身は全くの別物で、まるでそれだけで意思があるように動くことさえある
そんなものを飲むことは奇特だができないことはない
「血の契約をすれば俺以外の血も受け付けなくなるから、他のやつを襲う心配もない」
「へー、なんか『ちのけいやく』とか吸血鬼っぽい響きですね~」
まるで他人事と言わんばかりのトーンでいい放つ
「まぁ、興味ないですけど」
そう言って美容室の予約があるからと俺から逃げるようにいそいそと出かける準備をし始めた