バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
「つめたいな、冷えてしまっている」

彼は自分の鼻に私の手をつけ匂いをかいだたかと思うと、頬から唇へそのまま沿わせとても愛しそうに手の甲に優しく唇をつける

これは彼の本当の心からではないはずだ

あの人の血のせいでこうやって私を想ってしまっているがゆえの行動だってわかってる

それを怖いと感じている

だけど、心の一部はこんな彼でも私を想ってくれていることに喜びを感じている自分がいる

だから触れればこんなにドキドキしてあっという間に身体の奥が熱くなる

(自分にうんざりする…)

「天気が崩れてきた、早く帰ろう」

私の手を掴んだまま彼が車に向かって歩きだそうとした

だけど、私は動かない

「もうやめにしましょう…」

彼がこちらを振り返って困惑した瞳で私を見つめている

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