バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
おれはたまらず彼女に深いキスをする、そして彼女の両手を胸の空洞へ引き入れる
たちまち俺の血液は意思を持ち出し、津波のように心臓を四方から呑み込む
彼女はそれを感じて手を引き抜こうとするが、傷付いた方の手は心臓もろとも意思をもった血液に捉えられていて抜けない
「こっちはダメだ」
そういって胸から少し強めに彼女の手首を引気抜く
彼女の掌を血液が追うが、身体からある程度離れると俺の身体へ戻っていく
だらだらとさっきまで流れていた血液も俺の身体へ逆流するように戻っていく
彼女の掌からはまだ芳香な血が滴っているのでそれを落とさないように肘から舐めあげる
(あぁ、やっぱり不味い…)
でも、もう馴れてしまったし今となっては彼女の血しか受け付けない身体になってしまった
綺麗に舐めとって傷口を塞ぐ
その頃には破れたシャツの下から元通りになった胸元が確認できる
彼女はその胸元に手を置いてまた大粒の涙を流す
「もぅ、だいじょうぶ…?」
掠れた声と共にさっきの強い瞳とは違ってまた少し不安に揺れる
その手をとって俺の胸に這わせる
「この通りだ」
彼女は心底ほっとした表情をする