バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー

ごくっとのどを鳴らし私を見つめるばかりだ

「本当はあなたが私が寝ているときにじっと見つめていたことも、おでこにキスしてくれていたことも知ってる」

眼鏡越しのあの人の瞳がゆらゆら揺れる

「私はずっとあなたの思いを、
自分では深すぎると思ってる私への気持ちに気づいていたのに見てみぬフリをしちゃってたの」

動揺を隠すように口元を手で覆って、呟くようなトーンで独り言のようにさえ聞こえる、

「全部分かっていて側に…?」

「おばあちゃんとおじいちゃんになるまで貴方といれると思っていたから、
いつかあなたが直接言葉で伝えてくれることを待ってしまっていたの」

だけど、本当は私から聞いて私の気持ちをきちんと伝えなゃいけなかった

あの人は私への思いがパンパンに膨らんだ風船のようで吐き出せず破裂寸前で苦しかったんだと今となっては思う

「ごめんね、私があなたの思いを知ってしまって私が離れるのが怖かったんでしょ…?」

(きっと自分が死ぬことよりも…)

彼が大きく目を見開き驚いている

「でも、こんなことはしちゃだめ…」

強く眼鏡のレンズ越しの瞳を睨む

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