バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
私は彼にどんなに腹が立っても、浮気した時だって手を挙げたこともないし、ましてやあの人と出会ってから離れたことなんて一度もない
だって彼は凄く臆病で私が少しでも怒った気配を感じ取ったらたちまち無口になって、
目線を全く合わせずまるで叱られた子供のように萎縮して動けなくなったようにみえた
あの人が凄く動揺しているのがわかる
下を向こうとするから両頬を手ではさんでそれを阻む
そして、少しずれた眼鏡越しのあの人の瞳と無理やり目線を合わせる
(もう見てみぬフリはしない)
「そんなに怯えなくて大丈夫なんだよ」
力強く、でも落ち着いて穏やかに伝える、眼鏡のフレームを撫でながら
「こんなことする必要はないの」
一度めはあの人に向かって囁く
「愛してる、
ずっと、一生…」