隣の席の不思議系彼女
いつも昼休みにふらりといなくなる壺山は、おそらくここで校長先生と昼飯をこうやって2人で食べているんだろう。

さっきの2人の態度からそう感じる。
グラスも割り箸も、最初は2人分しか出してなかったし。

それにしても……。

「なんで弁当4つ?
俺達を今日呼ぶ予定だった……?」

「違うわよ、いつも4つなの」

え? どういうこと?
壺山の返事に首を傾げていると、校長先生がお茶をテーブルに置いてくれた。
俺と野崎は頭を下げて、それを受け取る。

「麗歌ちゃんのお父さんとわたし、友達なのよね~。
ほら、彼女の家って色々手がけてるでしょ?

料亭も手がけててね~。
どっちのお店も麗歌ちゃんのお父さんの会社の傘下よ。
で、いつもの差し入れ。

肉系と魚系、2つずつ」

……ほぉ。
選べる弁当。
しかも、選んだものがかぶっても大丈夫なように2つずつか。

……贅沢だな、ちっくしょう!!
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