隣の席の不思議系彼女
「ここまでしなくていいよってわたしも校長先生も言ってるんだけどね。
お父さんが聞かなくて。で。いつも4つ」

「じゃあさ、いつも余った二つはどうしてるん? 捨てるん?」

興味深々な野崎が壺山に尋ねる。

「まさか!
そんなもったいないことしないわ。

今日みたいな突然の来客にあげてみたり、弁当忘れた先生や生徒にあげてみたり。
ま、とにかく無駄にはしてないわ」

野崎はふぅん、と壺山に返事をしながら弁当を吟味し始めた。

「俺、このとんかつ弁当がいい!
いいかな?」

「いいわよ、さ。どうぞ」

自分の茶を持って壺山の隣に座った校長先生が、野崎に弁当を手渡した。

「安城は?」

「……2人が選んだ後でいいよ。
残り物には福があるから」

「安城っぽい返答ね」

ケラケラ笑う壺山の隣で、校長先生が微笑んでいた。
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