隣の席の不思議系彼女
「安城!」

「え?!」

放課後、壺山が突然抱きついてきた。
俺は慌てて受け止める。

「ど、どうした……?」

「安城……」

ふるふると俺の腕の中で頭を振りながら、壺山はしゅんとしていた。
珍しい。

「何かあったか?」

「……。
安城、大好き……。
安城は、いなくならないよね……?」

なにかしらあったのかもしれない。
ふるふる震える彼女に何も言えなくて。
俺は背中をとんとん撫でた。

「大丈夫だよ、大丈夫」

「安城、安城……。
一緒にいて……」

今にも泣き出しそうな彼女の背中をなでていると、野崎がやって来た。
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