《短編》ガラクタ。
「じゃあ、あの人達ともヤったの?」
「まさか。
俺、そっちの趣味ないし。」
「へぇ、それは良かった。」
「俺、AVとかもダメな人。」
「…何で?」
「ほら、男の喘ぎ声とか入ってんじゃん?
あれ聞いただけで萎えるから、観たいとも思わない。」
まぁ、確かに一理あるのだろう。
肩をすくめたようにそう言った顔に地味に納得して、体を起こしているアラタの背中に、この前と同じように指の先を伝わせた。
「お前、ホントに鳳凰が好きなんだな。」
「当然じゃない?」
「じゃあ、俺の背中からコイツが居なくなったらどうする?」
「考えられない。」
鳳凰と一対じゃないアラタのことなんて、想像することも出来なかった。
確かに飛び立とうとするように空を仰いでいるけど、あたしが無意識のうちに爪を立てたのはもしかしたら、本当に飛び立たれたら困るからだったのかもしれない。
「お前、コイツ背負ってたら誰でも良い、って?」
「…わけわかんないこと言わないでよ。」
アラタの言葉の意味がわかんなくて、眉を寄せるようにため息を混じらせた。
もしも他にこの鳳凰を背負っているヤツが居たとして、あたしはその男にアラタと同じように心を動かされることなんてあるのだろうか。
それとも、コイツだからかと、答えもないような自問自答が頭の中で繰り広げられ、面倒になってそんなの全部を遮断した。
「仮定の話なんか興味無いし、あたしはこの現実だけで十分だから。」
「まさか。
俺、そっちの趣味ないし。」
「へぇ、それは良かった。」
「俺、AVとかもダメな人。」
「…何で?」
「ほら、男の喘ぎ声とか入ってんじゃん?
あれ聞いただけで萎えるから、観たいとも思わない。」
まぁ、確かに一理あるのだろう。
肩をすくめたようにそう言った顔に地味に納得して、体を起こしているアラタの背中に、この前と同じように指の先を伝わせた。
「お前、ホントに鳳凰が好きなんだな。」
「当然じゃない?」
「じゃあ、俺の背中からコイツが居なくなったらどうする?」
「考えられない。」
鳳凰と一対じゃないアラタのことなんて、想像することも出来なかった。
確かに飛び立とうとするように空を仰いでいるけど、あたしが無意識のうちに爪を立てたのはもしかしたら、本当に飛び立たれたら困るからだったのかもしれない。
「お前、コイツ背負ってたら誰でも良い、って?」
「…わけわかんないこと言わないでよ。」
アラタの言葉の意味がわかんなくて、眉を寄せるようにため息を混じらせた。
もしも他にこの鳳凰を背負っているヤツが居たとして、あたしはその男にアラタと同じように心を動かされることなんてあるのだろうか。
それとも、コイツだからかと、答えもないような自問自答が頭の中で繰り広げられ、面倒になってそんなの全部を遮断した。
「仮定の話なんか興味無いし、あたしはこの現実だけで十分だから。」