《短編》ガラクタ。
「マイさんも、アラタさんと同じので良いっすか?」
「…何でも良い、です。」
敬語なんて使われ慣れてないし、語尾が小さくなっていくあたしにアラタは、面白いものでも見たといった顔でフッと笑った。
とてもじゃないが居心地が悪く、アラタの隣に腰を降ろして煙草を咥えてみれば、横から茶髪が口を挟む。
「コージ、これでも一応ホテルの料理人なんだぜ?」
「へぇ。」
だったら、昨日だってこの男にお粥を作らせれば良かったのにと、そんなことを思いながらあたしは、口をすぼめた。
次第にリビングには炊き立てのご飯の香りと味噌汁の香りが支配し、まるで日本の朝そのものだと思わされるのだが。
てかあたし、朝っぱらから起きたこと自体、久しぶりだったのかもしれないが。
隣の茶髪はそんな中で再びウトウトとし始め、最終的にはあたしの肩口に頭を預けるような格好で、また寝息を立て始めた。
まったく、迷惑な話だ。
「あれ?
また寝ちゃったんすね。」
「コイツ、どうにかしてよ。」
コージくんは出来た朝食をテーブルへと並べながら、そんなアラタを苦笑いで見つめていた。
目の前のそれは美味しそうだけど、でも、手を伸ばせば確実に、コイツがこちらに倒れ込んで来るだろう。
「多分、疲れてたんすよ。
ここのところ寝てなかったみたいだし、おまけに寒さにやられたんだと思います。」
「…そうなの?」
「アラタさんって、集中したら寝食忘れるタイプだし。
だから俺ら、心配になっちゃうんすよね。」
“それより、冷めるから食べましょう”と彼は、眠ってるアラタを無視で、自分の分にさっさと箸をつけてしまう。
きっと、いつもこんな感じなのだろう。
「…何でも良い、です。」
敬語なんて使われ慣れてないし、語尾が小さくなっていくあたしにアラタは、面白いものでも見たといった顔でフッと笑った。
とてもじゃないが居心地が悪く、アラタの隣に腰を降ろして煙草を咥えてみれば、横から茶髪が口を挟む。
「コージ、これでも一応ホテルの料理人なんだぜ?」
「へぇ。」
だったら、昨日だってこの男にお粥を作らせれば良かったのにと、そんなことを思いながらあたしは、口をすぼめた。
次第にリビングには炊き立てのご飯の香りと味噌汁の香りが支配し、まるで日本の朝そのものだと思わされるのだが。
てかあたし、朝っぱらから起きたこと自体、久しぶりだったのかもしれないが。
隣の茶髪はそんな中で再びウトウトとし始め、最終的にはあたしの肩口に頭を預けるような格好で、また寝息を立て始めた。
まったく、迷惑な話だ。
「あれ?
また寝ちゃったんすね。」
「コイツ、どうにかしてよ。」
コージくんは出来た朝食をテーブルへと並べながら、そんなアラタを苦笑いで見つめていた。
目の前のそれは美味しそうだけど、でも、手を伸ばせば確実に、コイツがこちらに倒れ込んで来るだろう。
「多分、疲れてたんすよ。
ここのところ寝てなかったみたいだし、おまけに寒さにやられたんだと思います。」
「…そうなの?」
「アラタさんって、集中したら寝食忘れるタイプだし。
だから俺ら、心配になっちゃうんすよね。」
“それより、冷めるから食べましょう”と彼は、眠ってるアラタを無視で、自分の分にさっさと箸をつけてしまう。
きっと、いつもこんな感じなのだろう。