《短編》ガラクタ。
「あたし、今日帰る。」
「何、珍しいじゃん。」
「明日、朝からばあちゃんの三回忌がどうのとか言ってたし。」
「へぇ、お前でもそんなの参加すんだな。」
「まぁね。」
食事を終え、深夜まで賭けトランプで盛り上がり、一段落を終えた頃にあたしは、アラタに小声で耳打ちした。
コージくんとモッシュくんは連れ立って一足先に帰り、チャマくんとサブは酔っ払ってリビングですでに寝息を立てているからだ。
「送ってくよ。」
「玄関まででしょ?」
「馬鹿か、お前。
いくら俺でも、こんな時間に女ひとりで歩かせるかよ。」
「優しいじゃん。」
「ジェントルマンだろ?」
こんなアラタも、嫌いじゃなかった。
静かに小さくキスしてやれば、彼はまんざらでもなさそうな顔して口元を緩める。
それから二人、すっかり冬の装いの外へと出てみれば、寒すぎてあたしは、思わず身震いしてしまうのだけれど。
「お前、帰るの急ぐ?」
「…何で?」
「見せたいものあるから。」
「へぇ、何それ。」
「知りたきゃ来いよ。」
3分ほど歩くのだと言ったアラタは珍しくあたしの手を引き、闇夜の中でひどく優しい顔をしていた。
寒いのなんて大嫌いだし、死にそうだったけど、でも、今度は何が起こるのだろうと、ワクワクした気持ちの方が勝ってしまったのだ。
「何、珍しいじゃん。」
「明日、朝からばあちゃんの三回忌がどうのとか言ってたし。」
「へぇ、お前でもそんなの参加すんだな。」
「まぁね。」
食事を終え、深夜まで賭けトランプで盛り上がり、一段落を終えた頃にあたしは、アラタに小声で耳打ちした。
コージくんとモッシュくんは連れ立って一足先に帰り、チャマくんとサブは酔っ払ってリビングですでに寝息を立てているからだ。
「送ってくよ。」
「玄関まででしょ?」
「馬鹿か、お前。
いくら俺でも、こんな時間に女ひとりで歩かせるかよ。」
「優しいじゃん。」
「ジェントルマンだろ?」
こんなアラタも、嫌いじゃなかった。
静かに小さくキスしてやれば、彼はまんざらでもなさそうな顔して口元を緩める。
それから二人、すっかり冬の装いの外へと出てみれば、寒すぎてあたしは、思わず身震いしてしまうのだけれど。
「お前、帰るの急ぐ?」
「…何で?」
「見せたいものあるから。」
「へぇ、何それ。」
「知りたきゃ来いよ。」
3分ほど歩くのだと言ったアラタは珍しくあたしの手を引き、闇夜の中でひどく優しい顔をしていた。
寒いのなんて大嫌いだし、死にそうだったけど、でも、今度は何が起こるのだろうと、ワクワクした気持ちの方が勝ってしまったのだ。