《短編》ガラクタ。
「でも、何でこんなのあたしに見せたの?」


「お前とはさ、感性が一緒だと思ったから。」


「…何それ?」


「例えば服の色の組み合わせひとつ取っても、個性って出るだろ?
センス悪いヤツは論外だけど、お前は違うし、鳳凰の魅力もちゃんとわかってるから。」


そういえば、と思った。


アラタはいつもお洒落だし、他のメンバーもみんな、それぞれ系統は違うけど、ダサい格好してるのなんて見たことがない。


別に小洒落てるってわけじゃなくて、シンプルでもとにかくセンスが良いんだ。


多分アラタは、みんなの中にも自分と同じ価値観を見い出したかこそ一緒に居るのだろうし、だから気が合うのだとも思う。


例えばあたしの爪の色の組み合せにしても、アラタが口を挟めば必ず理想通りになっていたし、思えば今までそれを受け入れることに違和感さえも覚えたことがなかったのだ。


シゲちゃん辺りに言われたらキレるだろうし、それが何故だかわからなかったけど、でも、今なら何となくわかる気がする。



「お前なら感動してくれると思ったし、一番に見せたかった。」


「…褒めて欲しかった?」


「まぁね。」


魅力的という表現がアラタに対して適切なのかはわかんないけど、それでもあたしにとっては高揚感に支配される存在だ。


本気で最高の男だと思ったし、絶対に手放したくなんてないと、強く思った。



「ねぇ、あたしのためにだけ絵描いて。」


「怨念込めるかもしれねぇぞ?」


「良いよ。
取り憑かれて殺されても、望むところ。」


「…本望、って?」


「もちろんよ。」


もしもあたしが狂ってるだけだとしても、アラタがそれを受け入れてくれるのなら良いと思った。


それで殺されたとしても、きっとその時のあたしは笑っているのだろうから。


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