Perverse
素直な竹下さんと素直じゃない私。



素直な彼女がいいだなんて。



素直になれない私の方が、竹下さんを羨ましくてたまらない。



一度拗れてしまった関係性を修復するのは、一から作り上げるよりも困難で容易ではない。



けれど自分の気持ちに素直にならなければ何一つ変わらないのも事実。



だったら今、私はどうすればいいんだろう。



「ほら。重いから気をつけろよ」



ハッと気がつくと、そこはもういつもの別れの場所。



いつの間にか楓達も一足先にマンションに入っていくのが見えた。



差し出された袋を慌てて受け取ると、その重みでぐっと前のめりになった。



柴垣くんは咄嗟に私の肩を支えてくれた。



「だから気をつけろっつっただろうが」



呆れ顔で溜め息をつかれ離された手が名残惜しくてたまらなくて、思わず袖口をキュッと掴んでしまった。



ピタリと止まる柴垣くんの手に縋りたい。



指を絡ませたい。



そんな事、到底出来るはずもないのだけれど。
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