Perverse
「いくら喧嘩の相手が柴垣だっていっても気になってたんだ。やっぱり三崎さんには笑顔でいて欲しいから」



津田さんは優しい笑顔でそう言ってくれるけれど、私の心中は複雑だ。



この人はどんな気持ちでそう言ってくれているのかな。



最近、自分の部署である企画から大した用事がないにも関わらず頻繁に柴垣くんのデスクに現れる竹下さん。



その柴垣くんに媚びるような態度と、私に対する警戒心剥き出しの視線を思い出すと、私はとても津田さんのようには思えなかった。



「三崎さん」



「はい?」



「俺がこうやって三崎さんといる事が、三崎さんの重荷になってたらごめん」



「津田さん?」



どうして急にそんなことを言い出すんだろう?



自分では気付かないうちに、津田さんに失礼な態度をとっていたのかもしれない。



「私は津田さんのことを、そんなふうに思った事ないです」



同じ比重の好意を返す事は出来ないけれど、私が津田さんのことを尊敬しているのも、先輩として好きなのも事実だ。



私がそう言うと津田さんは少し眉を下げて苦笑した。



「そうだといいけど…」
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