Perverse
頭で考えるよりも、感情の赴くままに言葉に出せば。



そうすれば私たちは何かが変わるのだろうか。



肌を重ねたあの日の夜に言えなかった言葉を今ここで吐き出せば。



私の心は落ち着くのだろうか。



開いた口唇から漏れそうになった言葉は。



「ちゃんと受け止めるから吐き出していいぞ?」



その柴垣くんの言葉で押し留まった。



今の私の状態で柴垣くんに想いを伝えてしまったら。



柴垣くんはいったいどう応えるのだろう。



こんな精神状態の私の言葉を、柴垣くんは本気だと思ってくれるだろうか。



受け止めると自分で言った以上、柴垣くんの心とは異なる答えを出してしまうのでは。



『受け止める』と言ったこと自体を、彼は後悔するかもしれない。



そう思うと怖くて何も言えなくなってしまった。



今ここで気持ちを伝えるのはフェアじゃない。



出した答えを肯定するかのように、私のスマホが着信を告げた。
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