Perverse
私の背に回っていた柴垣くんの腕がゆっくりと解かれる。
柴垣くんの胸から頬が離れると、なんだかまた心が離れていくような気がして。
なかなか動くことができなかった。
「スマホ…鳴ってるぞ」
「……うん」
名残惜しい空気を断ち切ってスマホを取り出すと、コールの主は。
「津田さん……」
このタイミングで津田さんだなんて…。
出ないわけにもいかず、私は慌ててスライドして耳に当てた。
「はい、三崎です」
『あ、津田です。ごめんね、今、大丈夫?』
チラリと柴垣くんを見上げると、すぐ側にいる彼には聞こえているようで、苦笑しながら頷いた。
「大丈夫です。先程はありがとうございました」
『それは大丈夫だよ。柴垣のサポートのおかげでスムーズに進んだからね。それよりも…』
「……」
『三崎さんが落ち込んでないか気になって』
「わざわざすみません。もう大丈夫です。ちゃんと明日は切り替えて出社しますので…」
上司の心配が有り難くて申し訳なくて。
心配かけまいとそう答えた。
『ごめん。間違い』
「え?」
『本当は俺が三崎さんの声を聞きたかっただけなんだ』
津田さんは上司のトーンとは違う、とても優しい声で私にそう言った…。
柴垣くんの胸から頬が離れると、なんだかまた心が離れていくような気がして。
なかなか動くことができなかった。
「スマホ…鳴ってるぞ」
「……うん」
名残惜しい空気を断ち切ってスマホを取り出すと、コールの主は。
「津田さん……」
このタイミングで津田さんだなんて…。
出ないわけにもいかず、私は慌ててスライドして耳に当てた。
「はい、三崎です」
『あ、津田です。ごめんね、今、大丈夫?』
チラリと柴垣くんを見上げると、すぐ側にいる彼には聞こえているようで、苦笑しながら頷いた。
「大丈夫です。先程はありがとうございました」
『それは大丈夫だよ。柴垣のサポートのおかげでスムーズに進んだからね。それよりも…』
「……」
『三崎さんが落ち込んでないか気になって』
「わざわざすみません。もう大丈夫です。ちゃんと明日は切り替えて出社しますので…」
上司の心配が有り難くて申し訳なくて。
心配かけまいとそう答えた。
『ごめん。間違い』
「え?」
『本当は俺が三崎さんの声を聞きたかっただけなんだ』
津田さんは上司のトーンとは違う、とても優しい声で私にそう言った…。