Perverse
時間を確認すると、あと1時間で15時。



営業に時間は関係ないけれど、内勤はお昼休みと15時休憩はしっかり取るようになっている。



休憩も仕事のうちだという経営理念は根付き、その分仕事にも良い形で反映されているようだ。



無理に探し出さなくても竹下さんの事だ。



15時には必ず化粧直しの為にレストルームに行くはず。



そこで捕まえてしまえばいい。



焦らずゆっくり待とう。



彼女みたいなタイプの女性に感情を高ぶらせてしまっては、なにかしら丸め込まれて言い負かされてしまうかもしれない。



それだけはごめんだ。



私は自席に戻るとカップに残っていた冷たいコーヒーを飲み干し、それを持って給湯室へ向かった。



それなりの香りのするインスタントコーヒーを淹れていると、



「俺もいいかな?」



と津田さんがカップを持ってやって来た。



「インスタントでいいんですか?」



大きめのコーヒーメーカーは完備してあるがデカンタに残っているコーヒーはいつも煮詰まっていて、私は基本的にそれを飲まない。



「うん、よろしく」



カップを受け取ると軽く洗った。



「三崎さん、なんだか気合入ってるみたいだけど何かあるの?」



「え?そうですか?」



さすかの津田さんは、私のちょっとした変化にも気付いてくれる。
< 174 / 290 >

この作品をシェア

pagetop