Perverse
すっぽりと包み込まれた柴垣くんの腕の中。



私は身動き一つせずに大人しく収まっていた。



正確には頭が真っ白で硬直していただけなのだけれど。



何これ?ナニコレ?なにこれ!!



バックンバックンと異常な動きの心臓は、このまま鳴り続けたら止まっちゃうんじゃないだろうか。



それくらいに痛かった。



いろんな感情が入り混じる中。



もっと抱きしめていて欲しくて、私は柴垣くんのジャケットをきゅっと握った。



その思いが伝わったのだろうか。



柴垣くんはもっと強く抱きしめてくれた。



どちらのものとも言えない鼓動が混ざりあって。



まるで身体を重ね交えなくても一つになったかのようだ。



……すき。



その言葉が漏れそうになったとき。



柴垣くんはゆっくりと私を離して、するりと頬を撫でた。



それが何を意味するのか。



感じ取ってそっと顔を上げると。



私達の唇は自然に引き寄せあって…。



そして…優しく触れた。
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