Perverse
「ごっ…誤解っ!」



「ああっ!?何がっ」



「私は津田さんと付き合ってないっ」



「はあっ!?」



柴垣くんは混乱と苛立ちが入り交じった表情で私を凝視する。



そんな目で見られても、これが真実なのだから仕方がない。



「私と津田さんは何もないの」



ハッキリとそう告げると、柴垣くんは疑いから困惑へと表情を変化させた。



もしかして津田さん、私達の背中を押してくれたの?



柴垣くんに対しては、押すと言うより無理矢理に突き落とすという感じみたいだけれど。



赤い糸を絡めながらも2人の意図を結んでくれていた津田さん。



これが昨日言っていた意味なのかもしれない。



「いろいろ問題とかあったから返事が遅くなったけど、ちゃんとお断りしてるの」



「…………」



「私は最初から…柴垣くんだけが…好きなの…」



やっと言えた遠回りしすぎな想い。



ずっとずっと伝えたかった溢れる気持ち。



それは零れ落ちるように自然に言葉になった。



「本当よ?」



何も発さずに固まっている柴垣くんのスーツの裾を、ちょんちょんと遠慮がちに引っ張ってみると。



柴垣くんは優しく、それでいて強く私を抱きしめてくれた。
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