Perverse
玄関、鍵はかけない方がいいわよね。



ピンポンなんてされても恥ずかし過ぎて『おかえりなさーい』なんて迎えられないわ。



「……あ」



下のオートロック解除はピンポンなのか…。



そもそも他人の家のピンポンって出ていいものなの?



柴垣くんじゃなかったら、大変な事になったりしないよね?



……恐ろしい。



電気のありかを手探りで探して付けると、パンプスを脱いで扉奥のリビングへと向かった。



リビングの扉の壁伝いに手を這わすと、すぐにリビングの電気は見つかった。



パチリと付けるとそこは柴垣くんの空間。



ブルーと紺を基調とした、とても落ち着いた部屋。



何だかどうしていいか分からなくて、目の前にあるソファーに座るのにも戸惑ってしまう。



とりあえず玄関の電気消してこよ…。



リビングに戻ると濃青のカーテンが目に付いて恐る恐る開いてみると、そこには風になびく洗濯物が。



取り込んじゃったら…だめだな。



カーテンを閉じて溜め息をつくと、意を決してソファーの端っこに、ちまっと腰掛けた。



私…何やってんだろ。



ビニール袋の中からミネラルウォーターを取り出して、カラカラになった喉に一気に流し込んで。



「やばい…」



トイレ行きたくなったらどうしよう…。



勝手に行けないよ…。
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