Perverse
それに柴垣くんの家で過ごして、ここから一緒に出勤したいんだ。



だから朝の準備のために家に帰ることも考えなかったのだから。



時間がたくさんあるのなら、ここで素敵な朝食を味わいたい。



「わかった。三崎のうちは今度にする。早く帰って来いよ?」



「うん。すぐ戻る」



そういって私はバッグの中から自宅の鍵だけを取り、柴垣くんの家を出た。



マンションのエントランスを抜けて自分のマンションへ入る。



エレベーターで上り自宅に到着し、慌てて着替えを済ませて冷蔵庫から玉子とハム、ボウルに入っているサラダと手作りのドレッシングを取り出した。



その時間わずか十五分ほど。



なのにもう……柴垣くんに会いたい。



『早く帰ってこい』という柴垣くんの言葉が胸に沁みて、私は部屋を飛び出した。



柴垣くんの家の前でインターホンを鳴らすと、彼がドアを大きく開けて出迎えてくれる。



「おかえり」



昨日は私が言った台詞に対し、「ただいま」と返した。



柴垣くんが淹れなおしてくれたコーヒーと、冷めて硬くなってしまったトースト。



私が簡単に調理したハムエッグとサラダで、まったりとした朝の時間を満喫する。



今度は私の家で和朝食が食べたいと言った柴垣くんは、以前と打って変わって隠さず全面で好意を表に出してくれた。
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