Perverse
このストレートな柴垣くんの宣言は、私にとって堪らなく嬉しかった。



心が通じ合っても、きちんと言葉にしてほしいのが女心というものだから。



わかっていないようでわかってくれている柴垣くん。



どうしてそれが今まで一度も発揮されなかったのかは疑問が残るところだが……。



覚醒した柴垣くんのストレートさに驚きながらもときめいてしまって、私の心臓は大変だ。



恋人同士という響きに頬を緩ませながら、私は柴垣くんに向き合った。



「宜しくお願いします。彼氏さん」



おどけたようにそう言うと、柴垣くんの顔が面白いほど赤く染まっていく。



彼って、こんなに感情の分かりやすい人だったのかしら?



今まで全く柴垣くんの気持ちや感情が感じ取れなかったのに、こんな一言で真っ赤になってくれるだなんて。



新鮮すぎて笑ってしまう。



「あまりのんびりもしてられねぇ。遅刻する前に行くぞ」



柴垣くんは私の手を離すことなく、そのまま改札に向かう。



「柴垣くん、そろそろ手を離して?会社の人に見つかっちゃう」



もしかしたらもう見られているかもしれない。



ここは電車通勤の人達の最寄り駅。



私達側の路線の人たちだって多いのだから。
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