Perverse
柴垣くんは目を丸くしていたけれど、ふと意地悪な笑みを浮かべた。



「ごめんな楠原。俺の方が付き合い短けぇのに結菜のことわかっちまって」



「ちょ……」



まさかの柴垣くんの発言に、私は驚いて彼の右腕をパシッと叩いた。



「むっかつくぅ。柴垣くんって、そんな意地悪な性格だった?」



「そうそう。みんなは知らないけど、義人は意外に子供っぽいんだよ」



楓と上原くんはブツブツと柴垣くんのことを好き放題言い始める。



「柴垣さんが結菜さんのことを一番理解してるのは当たり前ですよね」



グラスに残ったビールを飲み干しながら、沙耶ちゃんは冷静にそう言った。



「どうして?」



私がそう聞き返すと、沙耶ちゃんはニコニコ笑って私達を見つめる。



「だって柴垣さん、結菜さんしか見てないですもん」



「え……」



頬が熱くなって、自分の顔がどれほど赤くなったかがわかった。



「水田ってたまに全て悟ってる感あるな」



「先輩方を見習って、つねに視野は広く持ってますんで」



吹き出してしまった私達三人を見て、「こら柴垣っ!なに笑ってんのっ?」と酔っ払い楓が絡む。



「だいたいここは柴垣くんちでしょ?なのにポイントポイントに結菜の物が自然に置いてあるのがムカつく。洗面所にもリビングにもキッチンにも、何処にだって結菜の私物や趣味が溢れてるぅ」



いつの間に色々とチェックしてたんだろう。



しかもヤキモチ妬かれてるみたいで、なんだか嬉しくなっちゃうじゃないか。
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