Perverse
柴垣くん……いや、よしくんは、私の頬にふわりと口付ける。
「結菜が俺のことを好きだって思ってくれてるのはわかるし、だからこそ俺達は今こうしているんだろうけど」
そうは言うけれど、どうして今日はこんなに不安気になっているんだろう。
「あまりにも好きすぎて、夢か現実かわからなくなる。六年も片思いしてれば、俄かに信じられないのもしょうがねぇのかも」
苦笑いで誤魔化したような表情をしているけれど、それが彼の本心なのだろう。
想いが通じて恋人同士になって毎日一緒にいて。
私は幸せいっぱいで不安になる要素なんてなかったけれど。
「そんな顔しないで……」
よしくんの頬を両手で挟み込み、首を伸ばして小さくキスをすると、彼は私をベッドに埋めて強く抱きしめた。
「お前に対する気持ちが大きすぎて、何度抱きしめたって安心できねぇ」
くぐもった声で呟く今日のよしくんは、堪らなくなるほどの甘えたさん。
私は思わずよしくんの首に両腕を回し、力強く抱きついた。
「よしくんは私の気持ちより自分の気持ちが大きいって思ってるかもしれないけど、絶対にそんなことないんだからね」
確かに想う年数はよしくんの方が遥かに長いわけだけど。
想う年数と気持ちの重さは比例しない。
私達がお互いを想う気持ちは同じのはずだ。
「私はいつでもよしくんと同じ気持ちなの」
そう言うと、よしくんは前腕を付いて私を見下ろした。
「同じ?」
「うん。いつも同じよ」
「今も同じ気持ちか?」
「もちろん」
彼を少しでも安心させたくて力いっぱい肯定すると、途端によしくんの表情が意地悪そうに歪んだ……。