Perverse
聞き返す必要なんてない。



どんなに小さな声でもハッキリと伝わった津田さんの想い。



言葉がなくてもきっとこの目を見れば全てを悟れただろう。



津田さんは、それくらい本気で私を好きだと言ってくれている。



この人の言葉に『私も』と言えたら。



きっと私は大切に大切に愛してもらえるんだろう。



彼は私の支えなんて必要のないほど大人の男性だから。



津田さんと付き合っても津田さんをダメにすることはない。



私の頭の中では打算的なことばかりが計算され、結論を導き出そうと猛スピードで働いていた。



けれど私の心はやっぱり…。



柴垣くんを求めていた。



この前自覚したばかりのくせに、私の中はもう柴垣くんでいっぱいで。



こんなに素敵な津田さんからの告白なのに、もう受け入れる隙間がなくなっている。



どう津田さんに伝えたらいいのか、なかなか言葉にならなくて口を噤んでいると。



「何やってんの」



その声は突然私の後ろから響いた…。
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