私の遠回り~会えなかった時間~
私は恥ずかしさでいっぱいになる。
そして慌てて彬さんから離れようとする。
あれ…?
気のせいか、私の腕に彬さんの手の力がさらに加わったような気がする。
そう、私が離れて行かないようにしているみたいに。
私はハッとして、彬さんを見た。
「大丈夫か?」
彬さんは何もなかったかのように私に聞いた。
勘違いか…。
私はさらに恥ずかしくなって、うつむきながらうなずいた。
絶対顔が真っ赤になっている、そう感じたから。
「知紗は見かけより、ぼんやりしているみたいだな。」
彬さんの声に私は顔を上げた。
あれ…?