私の遠回り~会えなかった時間~
「ん?叔母さんが話したのか?」

彬さんはふっとこっちを見た。

「いえ、会社の先輩にラインを見られて…。」

私は今日のお昼の話をする。

もちろん木本さんの事は上手にごまかして。

「そうか。知紗は化粧品会社に勤めていたんだったよな。」

ぼそりとつぶやく彬さん。

「私は総務なので、彬さんがそんなに有名人だなんて知らなくて…。」

私は恐る恐る彬さんを見る。

彬さんはそんな私の様子にクスリと笑った。

「どんな事を聞いたかは分からないが、俺が海外でスタイリストをしていたのは本当だ。自分の美容師としての腕を上げるためにあちらに渡ったんだが、いつのまにかいろいろと任されるようになってな。美容師の仕事としてはおさまらなくなってしまったので、スタイリストと名乗るようになっただけだ。」

私の驚きの表情は、彬さんのツボみたい。

とても楽しそうな彬さんの表情。
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