ねぇ先輩、名前をよんで。
授業が終わってからの2時間だけ。
その間に先輩と屋上で話をすることが日課になっている。
私にとってそれは特別な時間だ。
でも、先輩には私が先輩を想うのと同じように
想っていた人がいる。
『ゆう』
だからこそ先輩は
私に脈があるわけじゃない。
悲しいけれど、それでもいいと思った。
私は今、
先輩と一緒にいられるから……。
それだけでいい。
「先輩……」
本当は、見ているだけの恋だった。
話したことだって一度だけ。
ずっと遠くで彼を見ていた。
それなのに今は、一緒にいて話までしているんだ。
欲張ってはいけない。
だからこのままでいいの。
気持はいつも心の中に押し込む。
ぎゅっとしまって、無いものにして先輩の側にいる。
もうそんなことも慣れてしまった。