ねぇ先輩、名前をよんで。
放課後ー。
私はカバンを持ってすぐに席を立った。
「先輩のところ行くの?」
「うん」
「いってらっしゃい」
風香ちゃんに
にやにやしながら見送られ、教室を出る。
ドキドキと心地よく鳴る心臓のせいで心が躍る。
早く、先輩に会いたい。
授業中もずっとそう思っていた。
先輩が許してくれた放課後のこの時間。
1分でも無駄にしたくなくて、私は屋上に走った。
「先輩!」
ーーガチャ。
勢いよくドアを開ければ
先輩の後ろ姿が視界にうつる。
彼は風にあてられ、空を眺めていた。
いつも先輩は私より早くここに来ている。
ちゃんと授業に出ているのかは分からない。
先輩の姿を見る時
いつもドキっとする。
後ろ姿の先輩がはかなくて、
誰かが側にいないと
いつの間にか消えてしまいそうだから。