御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「……私、鷹凪さんのお役に立てましたか?」

「ああ。最高だ。お前を選んだ俺の目に、狂いはなかった」

鷹凪の手がそっと奏を包み込み、ご褒美のように優しく抱きしめてくれる。

(結局私は、会見場で、泣きながら叫んだだけだったけど……)

その姿はきっとみっともなかっただろう。明日のスポーツ新聞の一面には『総理の妻の醜態』なんて見出しが躍るかもしれない。

でもきっと、気持ちだけは伝わった。鷹凪にも、見てくれていたたくさんの国民にも。

なにより、鷹凪が喜んでくれたことが、奏にとってなによりの幸せで。

(ちょっとは妻らしいこと、できたのかな?)

鷹凪の抱擁に答えるように、きゅっと手を回して甘えてみせる。
そんな奏の耳もとで鷹凪は、他の誰にも聞こえないようにそっと囁く。

「……愛しているよ、奏。ほかの誰がなんと言おうと、お前は俺のベストパートナーだ」

今日だけはほんの少し、自信のない自分を褒めてあげてもいいかもしれないと、奏は誇らしい気持ちになった。
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